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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻2号

2014年02月発行

文献概要

特集 診て考えて実践する―水・電解質管理と輸液 水・電解質異常の診断・管理に難渋した症例

シスプラチン投与後に低Na血症を呈した食道がん患者の一例

著者: 松田潤1 猪阪善隆1 山内淳2

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学 2大阪労災病院腎臓内科

ページ範囲:P.321 - P.324

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ポイント

◎シスプラチンが低Na血症を引き起こす機序には,塩類喪失性腎症(RSWS)と抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の2病態がある.

◎RSWSとSIADHは,低Na血症の発症時よりも治療過程において判別が容易である.

◎RSWSでは,血清Na濃度の是正後も低尿酸血症および尿酸分画排泄率の増加が遷延する.

◎SIADHでは,血清Na濃度の是正後すみやかに低尿酸血症および尿酸分画排泄率の増加が改善する.

参考文献

1)Berghmans T, et al:Hyponatremia related to medical anticancer treatment. Support Care Cancer 4:341-350, 1996
2)Maesaka JK, et al:Is it cerebral or renal salt wasting? Kidney Int 76:934-938, 2009
3)Maesaka JK, et al:Renal salt wasting without cerebral disease:Diagnostic value of urate determinations in hyponatremia. Kidney Int 71:822-826, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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