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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻2号

2014年02月発行

文献概要

連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・11

てんかん発作とされていた2事例

著者: 大生定義1

所属機関: 1立教大学

ページ範囲:P.340 - P.342

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今回は趣を変え,てんかん発作とされていた相談事例を2つ紹介する.

事例1:急に体を動かすとうまく動けない,抗てんかん薬が少量で有効な19歳女性

10歳の時から,徒競走のスタートや椅子から立ち上がる時など,急に体を動かすと手足が固まったように勝手に緊張し,うまく動けなくなることがある.受診当初は精神的な問題ではないかと言われたが,そのうち,てんかん発作かもしれないということになり,てんかんの薬を試したら少量でも症状がほとんど出なくなった.脳波に異常はないと言われた.ずっと薬を続けている.本当にてんかんなのだろうかと相談に来た.52歳の父も今は無症状になったが,若い時に同じようなことがあったらしい.

参考文献

1)van Rootselaar AF, et al:The paroxysmal dyskinesias. Pract Neurol 9:102-109, 2009 4つのサブタイプの詳しい表が載っている.
2)Bruno MK, et al:Clinical evaluation of idiopathic paroxysmal kinesigenic dyskinesia;New diagnostic criteria. Neurology 63:2280-2287, 2004 121例の実際の症例を分析し,診断基準を提唱している.診断を誤っている例についても考察している.
3)日本神経学会(監修),てんかん治療ガイドライン作成委員会(編):てんかん治療ガイドライン2010,医学書院,2010 図1の出典.分類も詳しく載っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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