文献詳細
文献概要
連載 依頼理由別に考える心臓超音波検査とりあえずエコーの一歩先へ・9
依頼理由{その8}“心囊液貯留を指摘されました.息切れ増悪も認めています”~心膜炎ですか,心タンポナーデですか~
著者: 鶴田ひかる1 香坂俊1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.348 - P.354
文献購入ページに移動そもそも心膜というのは厳密には臓側と壁側に存在し,間にオイルのような役割を果たす心囊液をごく少量含んでいます(50 cc以下).このベアリングのような機構(図1)で,心臓がどっかんどっかん動いているときに周りの臓器との摩擦を和らげています.しかし,それだけにちょっとしたキッカケで傷みやすく,これはリウマチのときの関節炎を想起していただくとわかりやすいと思うのですが,心膜炎(急性または慢性),収縮性心膜炎などの疾患を起こします.さらに,心囊は「閉鎖空間」であることから,心囊液貯留により生じる心タンポナーデなどといった事態も起こりえます.
参考文献
掲載誌情報