文献詳細
文献概要
連載 患者さんは人生の先生・2
東海道を歩いて糖尿病治療
著者: 出雲博子1
所属機関: 1聖路加国際病院内分泌代謝科
ページ範囲:P.369 - P.369
文献購入ページに移動患者さんの店は病院からの帰り道にあったので、ある夜、仕事の帰りにどんな様子か立ち寄ってみた。小さいがシャレた店でイタリアの写真が飾ってあった。店内は狭く、確かに彼はカウンター内の狭いキッチンに立ちっ放しという感じであった。とにかく立ったままでいないで時々屈伸をしたり、自ら料理を運んだり少しでも歩くことを勧めて帰ってきた。その後、1カ月、3カ月と診ている間に改善しHbA1cは6.5%位になっていた。しかし忙しかったのか、1年間規則正しく来院していた患者さんが一度受診をすっぽかした。その1カ月後、「足が赤く腫れて痛い」と電話してきたため、すぐ来院するよう指示した。両足が赤くパンパンに腫れ蜂窩織炎を起こしていた。血糖380mg/dL、HbA1c 9.8%に上昇していた。即入院させ、インスリン強化療法と抗菌薬の点滴を開始した。蜂窩織炎も血糖も順調に改善し2週間後退院した。
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