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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻3号

2014年03月発行

特集 もう見逃さない!迷わない!―非血液専門医のための血液診療

この血液疾患を見逃してはいけない―専門医への紹介のタイミング

二次性貧血・出血性貧血・骨髄異形成症候群(MDS)

著者: 川端浩1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学

ページ範囲:P.410 - P.412

文献概要

ポイント

◎貧血を認めたら,まず,MCVと網状赤血球数をチェックする.

◎炎症性貧血はやや小球性・低色素性で血清鉄が低下するが,鉄欠乏性貧血とは異なり血清フェリチン値が低下しない.

◎腎性貧血では,通常,血清エリスロポエチン値が低下しない.腎機能障害のために,貧血に見合った増加がみられないだけである.

◎急性の出血による貧血では,網状赤血球数増加のためにやや大球性になる.

◎原因不明の大出血の際には,凝固系の検査を忘れない.

◎骨髄異形成症候群(MDS)では,やや大球性の貧血になることが多い.

◎白血球,赤血球,血小板のうち複数の減少,原因不明の貧血の持続,および末梢血に芽球がみられたら,血液専門医に紹介する.

参考文献

1)川端 浩:炎症における貧血の発症機序.臨床免疫・アレルギー科52:548-554, 2009
2)日本透析医学会(編):2008年版慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン.透析会誌41:661-716, 2008
3)特発性造血障害に関する調査研究班:不応性貧血(骨髄異形成症候群),小澤敬也(編):特発性造血障害疾患の診療の参照ガイド(平成22年度改訂版),pp 63-92,2010 同研究班のホームページ(http://zoketsushogaihan.com)よりダウンロード可能

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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