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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻3号

2014年03月発行

連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・24

ステロイドの効かない関節炎

著者: 岡田正人1 衛藤光2

所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ) 2聖路加国際病院皮膚科

ページ範囲:P.530 - P.534

文献概要

後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は3カ月前から関節炎がある35歳の男性です.3カ月前に38℃の発熱と右足関節炎から始まり,その後に両膝,右肘の関節痛も生じたため近医受診しています.診断は明らかではありませんが,シプロフロキサシン200mgを1日2回とプレドニゾロン45mgを処方されています.3日後にはCRPは25.19mg/dLから5.37mg/dLに低下しましたが,プレドニゾロン30mgに減量され,5日後には関節炎の再発と皮疹の出現をみています.その後,大学病院に紹介されプレドニゾロンは20mgに減量し,非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を併用されていますが改善は十分得られず,1カ月後に当科に紹介受診されています.

アレルギー膠原病科医 受診時には,両側の手関節炎,膝関節炎,足関節炎,腰痛と皮疹がありました.早期に診断のめどをつけて治療を調整する必要性がありましたので,即日に皮膚科にもコンサルトさせていただきました.小関節が侵されていない慢性関節炎ですが,抗菌薬とステロイドの併用によって臨床像が修飾されている可能性があり,淋菌性関節炎,乾癬性関節炎,反応性関節炎,心内膜炎などが鑑別に挙がっていました.腱付着部炎を示唆するような所見はなく,乾癬のリスク因子となるような体重過多もありません.

参考文献

1)Morris D, et al:Reactive arthritis;Developments and challenges in diagnosis and treatment. Curr Rheumatol Rep 14:390-394, 2012
2)Barber CE, et al:Antibiotics for treatment of reactive arthritis;A systematic review and metaanalysis. J Rheumatol 40:916-928, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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