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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻4号

2014年04月発行

文献概要

特集 虚血性心疾患up to date―内科医によるトータルマネジメント 疫学・病態

冠動脈病変およびステント治療後の病理像―冠動脈の実像を理解する

著者: 井上勝美1

所属機関: 1小倉記念病院検査部

ページ範囲:P.594 - P.599

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ポイント

◎冠動脈硬化症の主因である粥状硬化は,脂質やプロテオグリカンなどの沈着に加えて,線維性結合組織の増生,さらには血液由来の細胞・物質の浸潤と石灰化巣の形成などにより,主として内膜が肥厚する病態と表現される.

◎その結果生じた狭窄部位に対して,冠動脈ステント留置術は,安定した大きな内腔拡大効果が得られ,現在の虚血性心疾患の治療において中心的地位を占めている.しかし術後数カ月以内に生じる再狭窄は,本治療法の“アキレス腱”となっている.

◎薬剤溶出性ステントは,新生内膜の増生を強力に抑制することにより,現在最も優れた再狭窄防止効果を示す治療器具であるが,留置部における内皮細胞の再生反応も抑制(遅延)するため,(遅発性)ステント血栓症の危険性などに関して,注意深い検討が必要である.

参考文献

1)井上勝美:病理像からみた冠動脈ステント植え込み術における問題点,延吉正清(監):PCI治療戦略に活かすPTCA・ステントの病理カラーアトラス,医学書院,2002
2)Inoue K:Pathological perspective of drug-eluting stent thrombosis. Thrombosis Article ID 219389, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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