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特集 ここが知りたい循環器診療―パールとピットフォール 一般外来でよくみる循環器疾患 【心不全】
慢性心不全の薬物療法(2)―RA系抑制薬とβ遮断薬の使い方
著者: 筒井裕之1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学
ページ範囲:P.1736 - P.1739
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◎重症度にかかわらずすべての収縮不全の患者にACE阻害薬とβ遮断薬を投与する.ACE阻害薬が投与できない場合はARBを用いる.忍容性があるかぎりできるだけ増量する.
◎心不全におけるエビデンスを有し,わが国で使用可能なβ遮断薬はカルベジロール(アーチスト®)とビソプロロール(メインテート®)のみである.
◎ACE阻害薬・ARBともに血圧低下,腎機能悪化,高カリウム血症に注意が必要である.利尿薬併用時には血圧の低下に特に注意が必要であり,体液量管理が重要である.
◎β遮断薬は少量から導入し,患者の状態をみながら徐々に増量していくが,増量に際しては自覚症状,脈拍,血圧,心胸郭比,BNPおよび心エコー図などを参考にし,心不全の増悪,低血圧,徐脈の出現に注意する.
◎拡張不全の生命予後を改善するエビデンスがある薬剤はないが,ACE阻害薬やARBは心不全増悪による入院を減少させる可能性がある.
◎重症度にかかわらずすべての収縮不全の患者にACE阻害薬とβ遮断薬を投与する.ACE阻害薬が投与できない場合はARBを用いる.忍容性があるかぎりできるだけ増量する.
◎心不全におけるエビデンスを有し,わが国で使用可能なβ遮断薬はカルベジロール(アーチスト®)とビソプロロール(メインテート®)のみである.
◎ACE阻害薬・ARBともに血圧低下,腎機能悪化,高カリウム血症に注意が必要である.利尿薬併用時には血圧の低下に特に注意が必要であり,体液量管理が重要である.
◎β遮断薬は少量から導入し,患者の状態をみながら徐々に増量していくが,増量に際しては自覚症状,脈拍,血圧,心胸郭比,BNPおよび心エコー図などを参考にし,心不全の増悪,低血圧,徐脈の出現に注意する.
◎拡張不全の生命予後を改善するエビデンスがある薬剤はないが,ACE阻害薬やARBは心不全増悪による入院を減少させる可能性がある.
参考文献
1)日本循環器学会(編):慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版),2010 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_matsuzaki_h.pdf
2)McMurray JJ, et al:ESC guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure 2012:The Task Force for the Diagnosis and Treatment of Acute and Chronic Heart Failure 2012 of the European Society of Cardiology. Eur Heart J 33:1787-1847, 2012
3)筒井裕之:心不全.小川 聡,他(編):専門医のための循環器病学,pp135-155,医学書院,2014
4)筒井裕之:収縮不全におけるβ遮断薬のエビデンス.伊藤 浩(編):β遮断薬を臨床で活かす!, pp46-48,南江堂,2013
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