文献詳細
文献概要
連載 総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・2
随伴症状がある時は多臓器疾患を考慮する
著者: 見坂恒明1
所属機関: 1自治医科大学地域医療学センター総合診療部門
ページ範囲:P.1764 - P.1768
文献購入ページに移動 複数の臓器にわたる随伴症状がある時は,1つの臓器に固執せず,ほかの臓器の評価も行うことが大切です.その際,積極的な問診によるシステムレビュー(review of systems:ROS)は関連する臓器の抽出および診断に役立ちます.
ROSとは,現病歴やそのほかの病歴で見逃したかもしれない,すべての症状を単語で示した要約です1).参考として,図1に当科で使用しているROS表の一例を示します2,3).患者には症状の有無について「はい」か「いいえ」で答えてもらい,問診者はROS表に基づいて,患者の頭の先から足先まで,系統立ててチェックしていきます.このようにすることで,それぞれの臓器について,まだディスカッションしていない「関係のありそうなorなさそうな」症状をすべてチェックすることができるのです.
ROSとは,現病歴やそのほかの病歴で見逃したかもしれない,すべての症状を単語で示した要約です1).参考として,図1に当科で使用しているROS表の一例を示します2,3).患者には症状の有無について「はい」か「いいえ」で答えてもらい,問診者はROS表に基づいて,患者の頭の先から足先まで,系統立ててチェックしていきます.このようにすることで,それぞれの臓器について,まだディスカッションしていない「関係のありそうなorなさそうな」症状をすべてチェックすることができるのです.
参考文献
1)宮城征四郎,納 光弘(日本語版監修):スワルツ身体診察法―病歴と検査.西村書店,2013
2)ローレンス・ティアニー,松村正巳:ティアニー先生の診断入門,医学書院,2008
3)川島篤志:プレゼンテーションのフォーマット(各論1)─主訴・プロファイル・現病歴・ROS.medicina 43:1226-1232,2006
4)岡本茂樹:結膜炎の鑑別診断.日眼会誌107:8-10, 2003
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