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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻1号

2015年01月発行

文献概要

連載 Step up腹痛診察・17

50歳女性,右下腹部痛,右鼠径部膨隆

著者: 酒見智子1 小林健二2

所属機関: 1聖路加国際病院附属クリニック聖路加メディローカス 女性診療科 2聖路加国際病院附属クリニック聖路加メディローカス 一般内科

ページ範囲:P.176 - P.179

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[現病歴]来院直前に右下腹部から鼠径部に引っ張られるような痛み[Numeric Rating Scale(NRS)で2〜3/10]と,同部位の腫脹を自覚した.幼小時にも同様の症状を認めたことがあるため,心配になり独歩で内科受診となった.1カ月前にも右脚付け根に3cm程度の膨らみを認めたが特に痛みはなく,すぐに自然消失していた.右下腹部〜鼠径部の痛みは30分くらい持続し,来院時には消失していた.食事による腹痛の増悪はなく,嘔気,嘔吐,食欲低下,体重減少,下痢や便秘などの便通異常はなかった.腹痛は排便との関連もなく,排尿時痛,頻尿もなかった.
病歴聴取の際,座位でも明瞭な腹部の膨らみを認めたため質問したところ,約1年前よりスカートやズボンのウエストがきつく感じられ,太ったと思っていた.食事と運動でダイエットを開始していたが体重は横ばいで腹囲の減少もなかったとのことであった.最近,労作時に息切れが出現するようになった.
[既往歴]0歳時に右鼠径ヘルニアを認め,4歳時に修復術施行.
[常用薬]なし.
[薬剤アレルギー]なし.
[社会歴]飲酒:機会飲酒.喫煙:10本/日×33年.
[最終月経]来院3カ月前から4日間,周期はここ2年不整になっている.月経困難なし.過多月経なし.

参考文献

1)日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会(編):産婦人科診療ガイドライン─婦人科外来編2014,杏林社,2014
2)町田静生:婦人科・腫瘍─腹水貯留.産婦の実際59:1721-1724, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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