icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina52巻10号

2015年09月発行

文献概要

特集 内科プライマリケアのための消化器診療Update [特別寄稿]海外の医師が見た日本の消化器診療

〈邦訳〉消化器病学—われわれは医師なのか,内視鏡屋なのか?

著者: 上野文昭1

所属機関: 1大船中央病院消化器・IBDセンター

ページ範囲:P.1800 - P.1802

文献購入ページに移動
[訳文]
 日本の消化器診療について述べることを依頼されました.私は日本で多くの時間を過ごしてきましたが,日本の消化器内科医と仕事で接触する機会が少なかったため,診療の質や消化器内科医が患者と十分話し合い診察しているかという点について評価する資格があるかどうかわかりません.けれども,関西のある一般病院を訪れたとき,頭を使う消化器内科医に驚いたと聞かされ,衝撃を受けました.日本の消化器内科医は内科全般について討論できないか,患者のすべてを診る医師としての時間を作りたがらないかであり,コンサルタントのみとして機能したがるというのが彼の印象でした.
 1970年代にColorado大学消化器内科の主任教授であったDr. Fred Kernは,消化器領域における内視鏡の将来の役割について確信をもてないでいました.「消化器研修医は,患者と話し,臨床生理学を学び,図書館で勉強して考えるといった学究的で思慮深い専門医を生むための時間を,内視鏡をはじめとした手技に費やしている…」と指摘していました.Dr. Kernらは,内視鏡の技術的な部分は医師以外にも教えることができ,そうすれば消化器内科医が問診や診察をして治療計画を練るための十分な時間を提供できると提言していました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?