icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina52巻12号

2015年11月発行

文献概要

特集 外来で診るリンパ腫・骨髄腫—治癒または長期共存を目指して リンパ系腫瘍に関する治療開発のトピックス

次世代シークエンスにより同定された遺伝子変異と治療標的分子

著者: 冨田章裕1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学

ページ範囲:P.2196 - P.2201

文献購入ページに移動
ポイント
●びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)における遺伝子変異は,NFκBシグナル伝達経路関連因子とエピゲノム関連因子をコードする遺伝子に集積する.
●NFκB関連因子の変異は胚中心B細胞様(GCB)タイプよりも活性型B細胞様(ABC)タイプに比較的集積し,NFκB経路の恒常的活性化が病態に重要と推測される.
●DLBCLの各症例において,平均約200の遺伝子変異が蓄積している.
●原発性マクログロブリン血症(WM)/リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)におけるMYD88 L265P変異,ヘアリー細胞白血病(HCL)におけるBRAF V600E変異は,ほぼ100%の症例に認められる.
●Bリンパ増殖性疾患に対する標的治療薬として,Bruton型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬,PI3キナーゼ(PI3K)阻害薬,BRAF阻害薬,EZH2阻害薬などが注目されている.

参考文献

1)Morin RD, et al:Frequent mutation of histone-modifying genes in non-Hodgkin lymphoma. Nature 476:298-303, 2011
2)Pasqualucci L, et al:Analysis of the coding genome of diffuse large B-cell lymphoma. Nat Genet 43:830-837, 2011
3)Morin RD, et al:Mutational and structural analysis of diffuse large B-cell lymphoma using whole-genome sequencing. Blood 122:1256-1265, 2013
4)Ngo VN, et al:Oncogenically active MYD88 mutations in human lymphoma. Nature 470:115-119, 2011
5)Sakata-Yanagimoto M, et al:Somatic RHOA mutation in angioimmunoblastic T cell lymphoma. Nat Genet 46:171-175, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら