文献詳細
文献概要
特集 ウイルス肝炎の薬物治療—変わりゆく治療戦略 ここまで変わったウイルス肝炎の治療 【B型慢性肝炎】
B型慢性肝炎に対する核酸アナログ治療
著者: 松本晶博1
所属機関: 1信州大学医学部消化器内科
ページ範囲:P.277 - P.281
文献購入ページに移動ポイント
●核酸アナログ治療は,B型肝炎ウイルス(HBV)-DNA量を低下させ,肝炎を沈静化させることができる.
●核酸アナログは逆転写酵素阻害薬であるため,HBVそのものの増殖には影響を及ぼさない.治療中のHBVの増殖能はHBs抗原(HBsAg)量やHBコア関連抗原(HBcrAg)量の測定により知ることができる.
●核酸アナログ治療により肝細胞癌の発症率を低下させることができるが,肝硬変症例に対してはその効果は限定的である.
●核酸アナログ治療中止時のHBcrAg量やHBsAg量の低い例では,核酸アナログを中止しても,肝炎の再燃は低率である.
●核酸アナログ治療は,B型肝炎ウイルス(HBV)-DNA量を低下させ,肝炎を沈静化させることができる.
●核酸アナログは逆転写酵素阻害薬であるため,HBVそのものの増殖には影響を及ぼさない.治療中のHBVの増殖能はHBs抗原(HBsAg)量やHBコア関連抗原(HBcrAg)量の測定により知ることができる.
●核酸アナログ治療により肝細胞癌の発症率を低下させることができるが,肝硬変症例に対してはその効果は限定的である.
●核酸アナログ治療中止時のHBcrAg量やHBsAg量の低い例では,核酸アナログを中止しても,肝炎の再燃は低率である.
参考文献
1)Liaw YF, Cirrhosis Asian Lamivudine Multicentre Study Group, et al:Lamivudine for patients with chronic hepatitis B and advanced liver disease. N Engl J Med 351:1521-1531, 2004
2)Matsumoto A, et al:Efficacy of lamivudine for preventing hepatocellular carcinoma in chronic hepatitis B;A multicenter retrospective study of 2795 patients. Hepatol Res 32:173-184, 2005
3)Matsumoto A, et al:Combination of hepatitis B viral antigens and DNA for prediction of relapse after discontinuation of nucleos(t)ide analogs in patients with chronic hepatitis B. Hepatol Res 42:139-149, 2012
掲載誌情報