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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液検査 血球検査

造血器腫瘍の遺伝子・染色体検査

著者: 宮地勇人1

所属機関: 1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学

ページ範囲:P.72 - P.75

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検査の概要
◆白血病
 白血病において染色体転座の結果,2つの遺伝子内の切断点においてお互いが融合し,キメラ遺伝子,さらにキメラmRNAを生じる.これを検出指標(転座マーカー)として,染色体検査や遺伝子検査が行われる.核酸増幅法は,白血病の病型診断(表1)や治療後の微小残存病変(minimal residual disease:MRD)のモニタリングなどに利用する.抗癌薬による寛解導入療法後,または造血幹細胞移植後のMRDの高感度モニタリングは,治療効果判定,疾患予後,寛解導入療法後の個別化治療計画,再発の早期発見,移植後の治療介入(ドナーリンパ球輸注など),さらに自家骨髄移植用に採取された幹細胞の質評価の指標となる.
 急性白血病の転座マーカーは骨髄性の40〜50%,リンパ性の30%の症例で利用できる(表2).そのほかMRDの分子マーカーとして,遺伝子発現マーカー(WT1発現など),FLT3変異,抗原受容体遺伝子などがある.

参考文献

1)押見和夫(監):WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学,中外医学社,2009
2)宮地勇人,他:血液総合診断システムの運用と展開.日検血会誌14:422-432, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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