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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液検査 血栓・止血検査

von Willebrand因子

著者: 高蓋寿朗1

所属機関: 1呉医療センター・中国がんセンター血液内科

ページ範囲:P.87 - P.89

検査の概要
 von Willebrand因子(von Willebrand factor:VWF)は血管内皮細胞あるいは骨髄巨核球で産生される高分子量の糖蛋白質で,血管内皮細胞,血小板から放出される.合成の過程で,分子量約270kDaのサブユニットがS-S結合によって重合し,分子量約500〜20,000kDaのさまざまなサイズのマルチマーを形成している.VWFは,血管内皮が破綻した部位において血管内皮下組織のコラーゲンに結合し,血小板粘着を惹起して一次止血を誘導する.VWFの質的あるいは量的異常によって,von Willebrand病(von Willebrand disease:VWD)を発症する.また,VWFは凝固第Ⅷ因子と血漿中で複合体を形成し,第Ⅷ因子のキャリアー蛋白として機能することも知られている.
 血漿中のVWFを評価する検査としては,以下の検査がある.

参考文献

1)Lillicrap D:von Willebrand disease;Advances in pathogenetic understanding, diagnosis, and therapy. Blood 122:3735-3740, 2013
2)高橋芳右:von Willebrand病の診断と治療.日血栓止血会誌18:572-574, 2007

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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