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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液検査 血栓・止血検査

アンチトロンビン

著者: 高木夕希1 小嶋哲人1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科病態解析学講座

ページ範囲:P.100 - P.101

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検査の概要
 アンチトロンビン〔antithrombin:AT,旧称:アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)〕はトロンビンや活性化凝固第Ⅹ因子(activated factor Ⅹ:Ⅹa)などを阻害する生理的血液凝固阻止因子である.ATはヘパリンとの結合により抗トロンビン作用の反応速度を1,000倍以上に促進される.
 先天性AT欠乏/異常症は常染色体優性遺伝形式をとる血栓性素因の1つであり,その頻度は人口10万人当たり1〜2人と報告されている.先天性AT欠乏/異常症患者のほとんどが50〜60歳までに血栓症を発症するが,そのうちの約70%は外傷,手術,妊娠,経口避妊薬の内服,あるいはそのほかの血栓リスクを契機として10〜35歳に初発する.血栓形成頻発部位は下肢深部静脈,腸管膜静脈などで,静脈系の血栓症を引き起こす.

参考文献

1)阪田敏幸:トロンビン,アンチトロンビン,トロンビン・アンチトロンビン複合体.日臨68(Suppl 1):688-690, 2010
2)川杉和夫:ATが140%? ─あなたの知らないNOACの凝固検査への影響.検査と血液15:S189, 2014
3)Murata M, et al:Development of a new laboratory test to evaluate antithrombin resistance in plasma. Thromb Res 133:293-298, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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