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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 蛋白
アルブミン
著者: 濵田悦子1 前川真人2
所属機関: 1浜松医科大学医学部附属病院検査部 2浜松医科大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.120 - P.121
文献購入ページに移動アルブミンは血漿蛋白質の60〜70%を占める主要な成分で,膠質浸透圧の約80%を担っているだけでなく,栄養源,酸─塩基平衡の維持,各種物質(ビリルビン,遊離脂肪酸,甲状腺ホルモン,Ca)の運搬などの働きを有する.肝臓で合成され,分子量約67,000,等電点4.7〜5.2の水溶性蛋白質である.血中半減期は約21日であり,生体中の栄養状態を反映し,栄養評価蛋白(nutrition assessment protein:NAP)として測定されている.
測定法は色素結合法を用いた自動分析法が一般的である.用いる色素はBCG[bromcresol green(ブロムクレゾールグリーン)]とBCP[bromcresol purple(ブロムクレゾールパープル)]である.どちらもpH指示薬であり,アルブミンと結合して発色する吸光度を比色定量する.BCG法は簡便で再現性がよいため古くから使用されてきたが,アルブミンだけでなくグロブリン,特に急性反応物質も反応するため正確性に問題がある.BCP法は酸化還元型の反応性の違いや,ビリルビンと共有結合したアルブミンとの反応性に問題があったが,村本らにより1999年にBCP改良法が開発され,アルブミンに高い特異性を示し,国際化学連合(IFCC)標準化法でもある免疫学的測定法とも測定値が一致することから,日本臨床化学会,日本臨床衛生検査技師会の推奨も受け,本邦での普及が進んでいる(すでに50%を超えている).
参考文献
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