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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 蛋白

ハプトグロビン

著者: 田中寿幸1 林由里子1 藤田清貴1

所属機関: 1群馬パース大学保健科学部検査技術学科

ページ範囲:P.134 - P.135

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検査の概要
 ハプトグロビン(haptoglobin:Hp)は電気泳動においてα2領域に検出される糖蛋白である.Hpは主として肝臓で合成され,血中半減期は3〜5日と短い蛋白であるため,重症肝障害の場合,その血中濃度は著減する.
 Hpは酸化物質である遊離ヘモグロビン(haemoglobin:Hb)と特異的に結合することで,酸化的組織障害から生体を守っている.また,遊離Hb-Hp複合体は,腎糸球体から尿中への鉄の喪失を防いでいる.一方で,Hpは急性期蛋白であり,炎症性疾患(感染症,膠原病など),組織壊死(心筋梗塞など),悪性腫瘍などで血中濃度が上昇し,その活動性の指標となる.

参考文献

1)内山幸信:ハプトグロビン.日臨858:233-236, 2004
2)末広 寛,日野田裕治:ハプトグロビン(Hp).和田 攻,他(編):臨床検査ガイド2011〜2012─これだけは必要な検査のすすめかた・データのよみかた,pp 172-174,文光堂,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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