文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 蛋白
ハプトグロビン
著者: 田中寿幸1 林由里子1 藤田清貴1
所属機関: 1群馬パース大学保健科学部検査技術学科
ページ範囲:P.134 - P.135
文献購入ページに移動ハプトグロビン(haptoglobin:Hp)は電気泳動においてα2領域に検出される糖蛋白である.Hpは主として肝臓で合成され,血中半減期は3〜5日と短い蛋白であるため,重症肝障害の場合,その血中濃度は著減する.
Hpは酸化物質である遊離ヘモグロビン(haemoglobin:Hb)と特異的に結合することで,酸化的組織障害から生体を守っている.また,遊離Hb-Hp複合体は,腎糸球体から尿中への鉄の喪失を防いでいる.一方で,Hpは急性期蛋白であり,炎症性疾患(感染症,膠原病など),組織壊死(心筋梗塞など),悪性腫瘍などで血中濃度が上昇し,その活動性の指標となる.
参考文献
掲載誌情報