文献詳細
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など 蛋白
文献概要
検査の概要
免疫グロブリンはリンパ・形質細胞系で合成され,生体内における体液性免疫機構を担当する蛋白でIgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスが知られている1).表1にヒト免疫グロブリンの物理化学的性状と生物学的活性を示す.IgGは血清中に最も多く,全体の約80%を占めており,生体における二次免疫応答の主要な抗体である.IgAは免疫グロブリンの10〜13%を占めており,粘膜免疫において重要な役割を果している.また,IgMは約6%と少なく,主に一次免疫応答を担っている.IgG,IgA,IgMの定量測定には,主に免疫比濁法あるいは免疫比朧法が用いられており,自動分析装置による測定が可能となっている.IgDの血中濃度はIgG,IgA,IgMに比べて低いことから,低値の測定が可能なラテックスを用いた測定系が用いられているが,その生理的意義はいまだに不明な点が多い.一方,IgEはアナフィラキシーなどのⅠ型アレルギーに関与することが知られているが,その血中濃度はごく微量であり,測定には酵素免疫測定法や化学発光免疫測定法などが用いられている.
免疫グロブリンはリンパ・形質細胞系で合成され,生体内における体液性免疫機構を担当する蛋白でIgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスが知られている1).表1にヒト免疫グロブリンの物理化学的性状と生物学的活性を示す.IgGは血清中に最も多く,全体の約80%を占めており,生体における二次免疫応答の主要な抗体である.IgAは免疫グロブリンの10〜13%を占めており,粘膜免疫において重要な役割を果している.また,IgMは約6%と少なく,主に一次免疫応答を担っている.IgG,IgA,IgMの定量測定には,主に免疫比濁法あるいは免疫比朧法が用いられており,自動分析装置による測定が可能となっている.IgDの血中濃度はIgG,IgA,IgMに比べて低いことから,低値の測定が可能なラテックスを用いた測定系が用いられているが,その生理的意義はいまだに不明な点が多い.一方,IgEはアナフィラキシーなどのⅠ型アレルギーに関与することが知られているが,その血中濃度はごく微量であり,測定には酵素免疫測定法や化学発光免疫測定法などが用いられている.
参考文献
1)藤田清貴:臨床検査で遭遇する異常蛋白質,医歯薬出版,2010
2)Hamano H, et al:High serum IgG4 concentrations in patients with sclerosing pancreatitis. N Engl J Med 344:732-738, 2001
3)藤田清貴,亀子文子:イムノアッセイにおけるピットフォール.浜窪隆雄・津本浩平(監修):新機能抗体開発ハンドブック,pp 424-429,エヌ・ティー・エス,2012
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