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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
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検査の概要
血清KL-6,SP-A,SP-D値は,主としてⅡ型肺胞上皮細胞の傷害により上昇し,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)をはじめとする間質性肺炎全般の血清マーカーとして,広く日常臨床で用いられている.IIPsの臨床診断基準(第四次改訂)では,「KL-6,SP-A,SP-D,LDHのうち,1項目以上の上昇」が診断項目の1つに挙げられている1).また間質性肺炎の疾患活動性の指標としても有用であり,特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)においては,予後を予測しうるマーカーとしても知られている.間質性肺炎の診断は,特に画像・病理診断において,しばしば医師の熟練度に影響を受けやすく,客観性のある血清バイオマーカーが,広く一般臨床医にも補助診断として有用と思われる.
KL-6の測定法としては,酵素免疫測定法(enzyme immunoassay:EIA)や電気化学発光免疫測定法(electrochemiluminescence immunoassay:ECLIA),化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay:CLEIA)およびラテックス凝集比濁法などが開発されており,EIA法,ECLIA法,ラテックス凝集比濁法によるものが保険適用となっている.ラテックス凝集比濁法は検体前処理が不要で,測定時間が10分程度と短時間であるため,院内検査であれば,診察前検査を当日の診療に反映することが可能である.SP-A,SP-DはEIA法で測定に数時間を要し,多くの施設で外部の検査機関に委託している.
血清KL-6,SP-A,SP-D値は,主としてⅡ型肺胞上皮細胞の傷害により上昇し,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)をはじめとする間質性肺炎全般の血清マーカーとして,広く日常臨床で用いられている.IIPsの臨床診断基準(第四次改訂)では,「KL-6,SP-A,SP-D,LDHのうち,1項目以上の上昇」が診断項目の1つに挙げられている1).また間質性肺炎の疾患活動性の指標としても有用であり,特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)においては,予後を予測しうるマーカーとしても知られている.間質性肺炎の診断は,特に画像・病理診断において,しばしば医師の熟練度に影響を受けやすく,客観性のある血清バイオマーカーが,広く一般臨床医にも補助診断として有用と思われる.
KL-6の測定法としては,酵素免疫測定法(enzyme immunoassay:EIA)や電気化学発光免疫測定法(electrochemiluminescence immunoassay:ECLIA),化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay:CLEIA)およびラテックス凝集比濁法などが開発されており,EIA法,ECLIA法,ラテックス凝集比濁法によるものが保険適用となっている.ラテックス凝集比濁法は検体前処理が不要で,測定時間が10分程度と短時間であるため,院内検査であれば,診察前検査を当日の診療に反映することが可能である.SP-A,SP-DはEIA法で測定に数時間を要し,多くの施設で外部の検査機関に委託している.
参考文献
1)日本呼吸器学会びまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会:特発性間質性肺炎診断と治療の手引き改訂第2版,南江堂,2011
2)大下慎一郎,河野修興:血清マーカー.日内会誌94:1061-1067, 2005
3)高橋弘毅,他:病態からとらえた血清マーカー乖離の解釈.分子呼吸器病学10:39-44, 2006
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