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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 酵素,肝機能検査

ビリルビン

著者: 榎奥健一郎1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院消化器内科

ページ範囲:P.206 - P.207

検査の概要
 ビリルビンは主に赤血球ヘモグロビンの代謝分解物であり肝臓で胆汁へ排泄される.ゆえに,その総和である総ビリルビンを調べることで赤血球の分解亢進,肝機能障害,胆道閉塞などの異常を検出することができる.脾臓で赤血球が分解されるとヘモグロビンも分解され,ヘムは非抱合型ビリルビンになる.非抱合型ビリルビンは水に溶けないためアルブミンと結合して肝臓へと送られる.非抱合型ビリルビンは,間接ビリルビンとも呼ばれる.肝臓においてビリルビンはグルクロン酸抱合を受け,水に溶けるようになる.抱合型ビリルビンは胆汁中に排泄される.抱合型ビリルビンは,直接ビリルビンとも呼ばれている.
 非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)は光により分解しやすいので,採血後速やかに測定する必要がある.保存血清で測定する場合には血清を遮光冷凍しておく.

参考文献

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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