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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 酵素,肝機能検査
CK(クレアチンキナーゼ)とそのアイソザイム
著者: 石井潤一1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部臨床検査科
ページ範囲:P.219 - P.221
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クレアチンキナーゼ(CK)はアデノシン三リン酸(ATP)のリン酸基をクレアチンに転移する反応(高エネルギーリン酸の貯蔵)と,クレアチンリン酸のリン酸基をアデノシン二リン酸(ADP)に転移する反応(ATPの再産生)を触媒する酵素で,エネルギー代謝における重要な役割を果たしている.心筋,骨格筋や脳に多量に存在するため,これらの組織に細胞障害(壊死)が生じると血中に遊出し,血清CK活性は上昇する.
CKはM型(筋型)とB型(脳型)の2種類のサブユニットからなる2量体で,分子量は82kDaである.細胞上清分画にはCK-MM,CK-MBとCK-BBの3つのアイソザイムが,ミトコンドリア分画にはミトコンドリアCKが存在する.CK-MBは骨格筋に比較して心筋に多量に存在するため,その心筋特異性は高い.CK-MBの迅速測定法にはMサブユニット活性だけを阻害する免疫阻害法と,特異的抗体を用いてCK-MBを蛋白量として測定する免疫学的測定法(CK-MB蛋白量測定)があるが,急性心筋梗塞の早期診断にはより心筋特異性の高いCK-MB蛋白量測定を活用するべきである1).なお,異常CKの解析には電気泳動法を用いる.
クレアチンキナーゼ(CK)はアデノシン三リン酸(ATP)のリン酸基をクレアチンに転移する反応(高エネルギーリン酸の貯蔵)と,クレアチンリン酸のリン酸基をアデノシン二リン酸(ADP)に転移する反応(ATPの再産生)を触媒する酵素で,エネルギー代謝における重要な役割を果たしている.心筋,骨格筋や脳に多量に存在するため,これらの組織に細胞障害(壊死)が生じると血中に遊出し,血清CK活性は上昇する.
CKはM型(筋型)とB型(脳型)の2種類のサブユニットからなる2量体で,分子量は82kDaである.細胞上清分画にはCK-MM,CK-MBとCK-BBの3つのアイソザイムが,ミトコンドリア分画にはミトコンドリアCKが存在する.CK-MBは骨格筋に比較して心筋に多量に存在するため,その心筋特異性は高い.CK-MBの迅速測定法にはMサブユニット活性だけを阻害する免疫阻害法と,特異的抗体を用いてCK-MBを蛋白量として測定する免疫学的測定法(CK-MB蛋白量測定)があるが,急性心筋梗塞の早期診断にはより心筋特異性の高いCK-MB蛋白量測定を活用するべきである1).なお,異常CKの解析には電気泳動法を用いる.
参考文献
1)Joint ESC/ACC Committee:Myocardial infarction redefined. J Am Coll Cardiol 36:959-969, 2000
2)高木 康:CK(クレアチンキナーゼ)とそのアイソザイム.medicina 47(増):172-173, 2010
3)高木 康:クレアチンキナーゼ(CK)とアイソザイム.Medical Practice編集委員会(編):臨床検査ガイド2011〜2012,pp. 101-103,文光堂,2011
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