文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 糖代謝検査
グルコース
著者: 窪田直人1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院病態栄養治療部
ページ範囲:P.231 - P.234
文献購入ページに移動検査の概要
グルコース(ブドウ糖)は,エネルギー源として生体組織,細胞の機能維持に重要な物質の一つである.食後,腸管より吸収されたグルコースはその約10%が肝臓に,残りの90%は大循環に入り骨格筋や脂肪組織に取り込まれる.一方,絶食時には肝臓よりグリコーゲン分解や糖新生によりブドウ糖が放出される.これらの作用はインスリンやそれと拮抗するホルモン(グルカゴン,コルチゾール,カテコラミン,成長ホルモンなど),インスリン分泌増強作用を有する消化管ホルモン(インクレチン)などにより精密にコントロールされているため,血中グルコース濃度はほぼ一定の状態で維持されている.
血中グルコース濃度(血糖値)の測定は,糖尿病の診断・治療を行っていくうえで必要不可欠な検査である.近年測定は簡便に行われるようになってきているが,測定原理や方法をよく理解し,誤差が生じうることを念頭に置きながら評価する必要がある.
グルコース(ブドウ糖)は,エネルギー源として生体組織,細胞の機能維持に重要な物質の一つである.食後,腸管より吸収されたグルコースはその約10%が肝臓に,残りの90%は大循環に入り骨格筋や脂肪組織に取り込まれる.一方,絶食時には肝臓よりグリコーゲン分解や糖新生によりブドウ糖が放出される.これらの作用はインスリンやそれと拮抗するホルモン(グルカゴン,コルチゾール,カテコラミン,成長ホルモンなど),インスリン分泌増強作用を有する消化管ホルモン(インクレチン)などにより精密にコントロールされているため,血中グルコース濃度はほぼ一定の状態で維持されている.
血中グルコース濃度(血糖値)の測定は,糖尿病の診断・治療を行っていくうえで必要不可欠な検査である.近年測定は簡便に行われるようになってきているが,測定原理や方法をよく理解し,誤差が生じうることを念頭に置きながら評価する必要がある.
参考文献
1)日本糖尿病学会(編):糖尿病専門医研修ガイドブック,改訂第6版,診断と治療社,2014
2)日本糖尿病学会(編):糖尿病治療ガイド2014-2015,文光堂,2014
3)中原一彦(監):診断に直結する検査値の読み方事典,pp 86-91,総合医学社,2014
4)高久文麿(監):臨床検査データブック2013-2014,医学書院,2013
5)Kaneto H, Matsuoka TA:Down-regulation of pancreatic transcription factors and incretin receptors in type 2 diabetes. World J Diabetes 4:263-269, 2013
6)佐々木匡秀,他:人体成分のサンプリング─血液,pp 232-240,講談社,1972
掲載誌情報