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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 糖代謝検査
抗GAD抗体
著者: 末冨吏佐1 谷澤幸生1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学
ページ範囲:P.250 - P.252
文献購入ページに移動グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)は,抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)をグルタミン酸より合成する酵素である.主としてGABAニューロンの神経終末に存在しているが,膵Langerhans島β細胞にも存在している.GADにはGAD65(分子量65kDa)とGAD67(分子量67kDa)という分子量の異なった2つのisoformが存在している.脳・神経組織ではGAD65,GAD67がともに存在しているが,β細胞ではGAD65がほとんどを占めている.
GADに対する自己抗体が抗GAD抗体である.現在わが国で広く検査されているのは,GAD65に対する抗体である.検体としては血清・血漿(クエン酸Na,フッ化Na,ヘパリンNaの採血管)が用いられる.検査方法として,リコンビナントヒトGAD65を抗原として用いるラジオイムノアッセイ法(radio immuno assay:RIA)が使用されている.これは,Immunology of Diabetes Workshop(IDW)において行われたGAD antibody proficiency testの結果,RIA法がほかの測定法と比較して感度・特異ともに優れていることが示されたことによる.
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