文献詳細
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液生化学検査など 糖代謝検査
文献概要
検査の概要
グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)は,抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)をグルタミン酸より合成する酵素である.主としてGABAニューロンの神経終末に存在しているが,膵Langerhans島β細胞にも存在している.GADにはGAD65(分子量65kDa)とGAD67(分子量67kDa)という分子量の異なった2つのisoformが存在している.脳・神経組織ではGAD65,GAD67がともに存在しているが,β細胞ではGAD65がほとんどを占めている.
GADに対する自己抗体が抗GAD抗体である.現在わが国で広く検査されているのは,GAD65に対する抗体である.検体としては血清・血漿(クエン酸Na,フッ化Na,ヘパリンNaの採血管)が用いられる.検査方法として,リコンビナントヒトGAD65を抗原として用いるラジオイムノアッセイ法(radio immuno assay:RIA)が使用されている.これは,Immunology of Diabetes Workshop(IDW)において行われたGAD antibody proficiency testの結果,RIA法がほかの測定法と比較して感度・特異ともに優れていることが示されたことによる.
グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)は,抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)をグルタミン酸より合成する酵素である.主としてGABAニューロンの神経終末に存在しているが,膵Langerhans島β細胞にも存在している.GADにはGAD65(分子量65kDa)とGAD67(分子量67kDa)という分子量の異なった2つのisoformが存在している.脳・神経組織ではGAD65,GAD67がともに存在しているが,β細胞ではGAD65がほとんどを占めている.
GADに対する自己抗体が抗GAD抗体である.現在わが国で広く検査されているのは,GAD65に対する抗体である.検体としては血清・血漿(クエン酸Na,フッ化Na,ヘパリンNaの採血管)が用いられる.検査方法として,リコンビナントヒトGAD65を抗原として用いるラジオイムノアッセイ法(radio immuno assay:RIA)が使用されている.これは,Immunology of Diabetes Workshop(IDW)において行われたGAD antibody proficiency testの結果,RIA法がほかの測定法と比較して感度・特異ともに優れていることが示されたことによる.
参考文献
1)川﨑英二,他:急性発症1型糖尿病の診断基準(2012)の策定─1型糖尿病調査研究委員会(劇症および急性発症1糖尿病分科会)報告.糖尿病56:584-589, 2013
2)田中昌一郎,他:緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の診断基準(2012)─1型糖尿病調査研究委員会(緩徐進行1型糖尿病分科会)報告.糖尿病56:590-597, 2013
3)日本糖尿病学会(編):糖尿病専門医研修ガイドブック改訂第6版,診断と治療社,2014
掲載誌情報