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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 脂質・リポ蛋白
Lp(a)[リポプロテイン(a)]
著者: 蔵野信1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.276 - P.277
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Lp(a)[リポプロテイン(a)]は,LDLと同様に動脈硬化巣への沈着が確認されており,動脈硬化症の新規危険因子として注目されているリポ蛋白である.その構造はLDLと類似しているが,LDLのコアアポ蛋白であるアポ蛋白B100に,アポ蛋白(a)[apo(a)]がジスルフィド結合している.Lp(a)は,apo(a)とLDLがクリングルという環状構造を形成し,このクリングルの繰り返し回数により多くのフェノタイプ(20種類以上)が存在する.そのため,分子量は100〜800kDaと幅が広い.
Lp(a)の動脈硬化性疾患の病態生理へのかかわりは,まだ完全には確立されていないが,Lp(a)は酸化されると,酸化LDLと同様にスカベンジャー受容体によりマクロファージに取り込まれ,泡沫化され,動脈内膜に沈着する.また,Lp(a)の構成成分であるapo(a)は,プラスミノーゲンとの相同性が高く,プラスミノーゲンと競合し,プラスミンを低下させ,血栓形成に促進的に働いているとされる.その他,平滑筋細胞増殖作用,物性として酸化リン脂質を結合しやすいなどさまざまな動脈硬化促進作用が報告されている.
Lp(a)[リポプロテイン(a)]は,LDLと同様に動脈硬化巣への沈着が確認されており,動脈硬化症の新規危険因子として注目されているリポ蛋白である.その構造はLDLと類似しているが,LDLのコアアポ蛋白であるアポ蛋白B100に,アポ蛋白(a)[apo(a)]がジスルフィド結合している.Lp(a)は,apo(a)とLDLがクリングルという環状構造を形成し,このクリングルの繰り返し回数により多くのフェノタイプ(20種類以上)が存在する.そのため,分子量は100〜800kDaと幅が広い.
Lp(a)の動脈硬化性疾患の病態生理へのかかわりは,まだ完全には確立されていないが,Lp(a)は酸化されると,酸化LDLと同様にスカベンジャー受容体によりマクロファージに取り込まれ,泡沫化され,動脈内膜に沈着する.また,Lp(a)の構成成分であるapo(a)は,プラスミノーゲンとの相同性が高く,プラスミノーゲンと競合し,プラスミンを低下させ,血栓形成に促進的に働いているとされる.その他,平滑筋細胞増殖作用,物性として酸化リン脂質を結合しやすいなどさまざまな動脈硬化促進作用が報告されている.
参考文献
1)日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012年版,2012
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