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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 血液生化学検査など 電解質・微量金属・浸透圧

フェリチン,血清鉄と鉄結合能

著者: 辻岡貴之1 通山薫1

所属機関: 1川崎医科大学検査診断学

ページ範囲:P.290 - P.293

フェリチン
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 体内の鉄貯蔵量を調べるために最も信頼性の高い検査は肝生検で得られた組織中の鉄濃度測定と考えられている.しかし,この検査は侵襲を伴い合併症のリスクを考慮すると安易に行うべき検査ではない.最近,欧米ではMRIを用いた肝鉄濃度測定法が開発され普及してきている.一方,日常臨床では血清フェリチン値が簡便に測定できる鉄貯蔵マーカーとしてよく利用されている.フェリチンは鉄を結合して貯蔵するための蛋白で,肝・脾・骨髄・胎盤などの組織に広く分布しておりその分布量は概ね血清中濃度と相関する.

参考文献

1)Lee GR, et al:Wintrobe's Clinical Hematology, Williams&Wilkins, Baltimore, 1999
2)八幡義人:血清鉄,不飽和鉄結合能(UIBC),総鉄結合能(TIBC),フェリチン.和田 攻,他(編):臨床検査ガイド,pp 637-642,文光堂,2003
3)高後 裕,生田克哉:慢性炎症と貧血─鉄代謝ホルモン ヘプシジン,日内会誌94:1158-1164,2005
4)生田克哉,他:鉄代謝と病態.日臨66:469-474,2008
5)大屋敷一馬:治療薬 鉄キレート薬.日内会誌99:1267-1271,2010

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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