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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 薬物関連検査 血中薬物濃度

強心薬

著者: 山口諒1 山本武人1 鈴木洋史1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.308 - P.309

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検査の概要
 強心薬のなかで,血中薬物濃度測定が一般的に行われている薬剤はジゴキシンのみである.ジゴキシンは有効血中濃度域が狭いため,きわめて厳密な血中濃度コントロールを必要とする.しかしながら,ジゴキシンの体内動態は個体差が大きく,剤形によりバイオアベイラビリティが異なることが知られている.また,多くの薬物と相互作用を起こし,血中濃度,薬剤感受性が変動する.そのため,TDM(therapeutic drug monitoring)による濃度測定・投与量調整が有効な薬剤である.
 特に,小児においては成長とともに体内動態が大きく変化する.例えば,ジゴキシンの半減期は新生児期では35〜70時間であるが,生後1年では15〜30時間となり,また,同時期の小児の体重当たりの分布容積は成人の1.5〜2倍程度であることが知られている.そのため,小児期,なかでも新生児期は最もTDMが必要な時期であると言える.

参考文献

1)幸田幸直:強心配糖体 ジゴキシン(ジギトキシン).伊賀立二,齋藤侑也(編):薬物投与設計のためのTDMの実際,pp 234-256,薬業時報社,1993
2)Morris RG, et al:Interference from digoxin-like immunoreactive substance(s) in commercial digoxin kit assay methods. Eur J Clin Pharmacol 39:359-363, 1990
3)木村利美:よくわかるTDM, pp 252-253,じほう,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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