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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 薬物関連検査 薬物感受性遺伝子検査,薬剤リンパ球刺激試験
ワルファリン治療関連遺伝学的検査—チトクロームP450(CYP)2C9遺伝子多型検査,ビタミンKエポキシド還元酵素C1サブユニット(VKORC1)遺伝子多型検査
著者: 中谷中1
所属機関: 1三重大学医学部附属病院オーダーメイド医療部
ページ範囲:P.315 - P.317
文献購入ページに移動ワルファリンはビタミンK類似構造のクマリン誘導体で,ビタミンK代謝サイクルを阻害し,肝臓での再利用を抑制することにより,ビタミンK依存性凝固因子の活性化を阻害する.ワルファリンは抗凝固療法の基本的薬剤として高く評価されているものの,薬剤効果や副作用の個人差が大きいため,使い慣れていない医師にとってはやや使いづらいとも言われている.添付文書においても「成人における維持投与量は1日1回1〜5mg程度となることが多い」と投与量の個人差の大きいことが示唆されており,当院でも1〜10mg/日と個人差が大きいことを経験している.
ワルファリンの作用が,その代謝酵素であるCYP2C9,および標的分子のVKORC1の遺伝子多型に大きく影響を受けていることが明らかになってきたため(図1),これらの解析を実施している.
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