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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

T4(サイロキシン),FT4(free T4),T3(3,5,3′-トリヨードサイロニン),FT3(free T3)

著者: 木村孝穂1 村上正巳1

所属機関: 1群馬大学臨床検査医学

ページ範囲:P.345 - P.347

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検査の概要
 甲状腺ホルモンの合成・分泌は下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)により調節されており,視床下部-下垂体-甲状腺系にネガティブフィードバック機構が存在する(TSHの項の図1 p332参照).甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの98%がサイロキシン(T4)であり,甲状腺ホルモン脱ヨード酵素の働きにより脱ヨードを受け,生理活性を有する3,5,3′-トリヨードサイロニン(T3)に変換され甲状腺ホルモンとしての生理作用を発揮する.血中の甲状腺ホルモンの大部分は甲状腺ホルモン結合蛋白(thyroid hormone-binding protein:TBP)と結合している.TBPと結合していない甲状腺ホルモンが遊離型のfree T4(FT4),free T3(FT3)として存在する1,2)
 甲状腺機能検査としてはTBPの影響を受けない遊離甲状腺ホルモンであるFT4,FT3が測定される.FT4はT4の0.02%,FT3はT3の0.3%程度である1,2)

参考文献

1)家入蒼生夫:TSH(甲状腺刺激ホルモン).medicina 47(増):309-324, 2010
2)河合 忠,他(編):異常値の出るメカニズム,第6版,pp 281-287,医学書院,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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