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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

Tg(サイログロブリン),TBG(サイロキシン結合グロブリン)

著者: 日高洋1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科内科学講座(臨床検査診断学)

ページ範囲:P.348 - P.349

Tg(サイログロブリン)
検査の概要
 Tgは甲状腺濾胞腔に貯えられているコロイドの主成分である.Tgは健常人の血中にも存在するが,さまざまな甲状腺疾患では高値を示す.甲状腺の悪性腫瘍だけでなく良性腫瘍でも血中Tgが高値を示すため,血中Tg値だけでは良性・悪性の鑑別はできない.しかし,濾胞性腫瘍(濾胞癌or濾胞腺腫)において,血中Tgが1,000ng/mL以上を示す場合は濾胞癌の可能性が高いとの報告があるため,甲状腺に腫瘍を認めた場合には定期的に測定することが多い.また,甲状腺乳頭癌・濾胞癌で甲状腺を全摘したあとの腫瘍マーカーとしては非常に有用で,術後に血中Tg値が上昇してきた場合には癌の再発・転移を疑う.
 Tgは,血清を測定検体として,ECLIA法(電気化学発光免疫測定法)などの免疫測定法で測定される.ただし,抗サイログロブリン抗体(TgAb)が陽性の検体では,血中Tg値が偽低値を示すことがあるため,血中Tg測定時にはTgAbも同時に測定する.

参考文献

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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