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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

カルシトニン

著者: 盛田幸司1 江戸直樹1 石川敏夫1

所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座(内分泌代謝・糖尿病内科)

ページ範囲:P.360 - P.362

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検査の概要
 哺乳類において,カルシトニンは主に甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)から分泌されるペプチドホルモンであり,32個のアミノ酸から構成される.カルシトニンは破骨細胞の骨吸収を抑制し,血中カルシウム(Ca)濃度を低下させる.だが,その生物活性はサケ鰓後腺由来のカルシトニンに比べると1/10以下と弱い1).脊椎動物は進化のなかでCaが豊富な海から陸地への上陸を果たすが,その過程でカルシトニン,ビタミンD以外の骨代謝調節因子としてPTHを獲得し,相対的にカルシトニンの生理的意義は低下した.よって本検査の目的は,Ca・骨代謝異常の鑑別診断ではなく,C細胞由来の癌である甲状腺髄様癌の腫瘍マーカーとしての役割に限定される.
 実際の測定は,早朝空腹時採血で得られる血清0.5mLで行う.

参考文献

1)田原英樹:カルシトニンとCGRP.内分泌糖尿代謝内科36(Suppl 4):188-195, 2013
2)Toledo SP, et al:Hypercalcitoninemia is not pathognomonic of medullary thyroid carcinoma. Clinics 64:699-706, 2009
3)Daumerie C, et al:Serum calcitonin estimation in medullary thyroid cancer;Basal or stimulated levels? Thyroid Res 6(Suppl 1):S4, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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