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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

PTH(副甲状腺ホルモン),PHTrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白)

著者: 江戸直樹1 盛田幸司1 石川敏夫1

所属機関: 1帝京大学医学部内科学講座(内分泌代謝・糖尿病内科)

ページ範囲:P.363 - P.365

検査の概要
【副甲状腺ホルモン(PTH)】副甲状腺主細胞で合成・分泌されるペプチドホルモンで,84個のアミノ酸からなる.PTH分泌は副甲状腺細胞上のカルシウム感知受容体(CaSR)によって制御される.PTHの主な標的臓器は腎や骨で,PTH/副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)受容体を介し作用する.腎尿細管ではCa再吸収促進とリン(P)再吸収抑制,ビタミンD(VitD)活性化作用を有する.骨では骨芽細胞と骨細胞に作用し,骨吸収活性化と骨形成促進をもたらす1).PTHは血中Ca濃度の恒常性維持に重要な役割を果たしている.
【PTHrP】PTHと類似構造をもち,PTH/PTHrP受容体を介しPTH様作用を発揮する.生理的には局所因子として作用し,妊娠・授乳などの特殊な状況を除いて血中には出現しない.PTHrPは悪性腫瘍で分泌される場合があり,悪性腫瘍による高Ca血症のなかのhumoral hypercalcemia of malignancy(HHM)の主因となる生理活性分子である.

参考文献

1)竹内靖博:骨代謝における副甲状腺ホルモンの役割と臨床応用.日内会誌101:1007-1014, 2012
2)Cavalier E, et al:The third/second generation PTH assay ratio as a marker for parathyroid carcinoma;Evaluation using an automated platform. J Clin Endocrinol Metab 99:E453-E457, 2014
3)Jacobs TP, et al:Clinical review;Rare causes of hypercalcemia. J Clin Endocrinol Metab 90:6316-6322, 2005

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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