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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗核抗体

著者: 窪田哲朗1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学

ページ範囲:P.398 - P.399

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検査の概要
 Hargravesが全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の患者血液中にLE細胞を見出したのは,1948年のことであった.その後,この現象が検討されるにしたがって,SLEや,そのほかの患者血清中に,細胞の核と反応する種々の自己抗体が存在することが明らかになった.抗核抗体の検出は臨床検査としても普及してさまざまな方法が考案されたが,最近では単に抗核抗体検査と言えば,HEp-2(human epithelial-2)細胞を基材とした間接蛍光抗体法を意味する.
 核にはDNA, RNAなどの核酸や,さまざまな核蛋白質が存在し,抗核抗体の種類によって染色パターンが異なる.基本的には辺縁型(peripheral),均質型(homogeneous),斑紋型(speckled),散在斑点型(discrete speckled:セントロメア型),核小体型(nucleolar)の5種類に分類される(図1).通常は血清を40倍に希釈して検査し,陽性の場合はさらに2n倍に希釈して,陽性を呈する最高倍率が染色パターンとともに報告される.

参考文献

1)Solomon DH, et al:Evidence-based guidelines for the use of immunologic tests;Antinuclear antibody testing. Arthritis Care Res 47:434-444, 2002
2)Tan EM, et al:The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 25:1271-1277, 1982
3)窪田哲朗:抗核抗体・抗DNA抗体.日内会誌92:1921-1925, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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