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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗DNA抗体

著者: 窪田哲朗1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科生体防御検査学

ページ範囲:P.402 - P.403

検査の概要
 通常の右巻き2重らせん構造をしたdouble-stranded(ds)DNAは,正常のヒトや動物には抗原性がない.すなわち,dsDNAを投与しても抗dsDNA抗体は作られない.しかし,1950年代から,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の患者は高力価の抗dsDNA抗体を産生することが知られ,SLEの診断に有力な指標として測定されている.また,多くのSLE症例では抗dsDNA抗体の力価が疾患活動性を反映して変動することから,治療効果の判定にも有用で,経過を追って定期的に測定されていることが多い.
 最近のわが国の臨床検査では,主にFarr法を応用したradioimmunoassay(RIA)の“抗DNA抗体”定量と,enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)法によるIgG “抗dsDNA抗体”定量の2種類が用いられているが,いずれの方法も使用している抗原はdsDNAである.なお,ELISA法では,single-stranded(ss)DNAと反応する抗体や,IgMクラスの抗体の測定も可能であるが,これらの臨床的意義は確立していない.

参考文献

1)Kavanaugh AF, et al:Guidelines for immunologic laboratory testing in the rheumatic diseases;Anti-DNA antibody tests. Arthritis Care Res 47:546-555, 2002
2)Tan EM, et al:The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum 25:1271-1277, 1982

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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