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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗Scl-70抗体

著者: 上阪等1

所属機関: 1東京医科歯科大学膠原病・リウマチ内科学

ページ範囲:P.406 - P.407

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検査の概要
 抗Scl-70抗体は,強皮症(scleroderma)に特異的に出現するとして報告された抗核抗体である.蛍光抗体法による抗核抗体検出法では,均質(homogenous)型に近い斑紋(speckled)型を呈することが多い.Sclはsclerodemaの略で,70は対応自己抗原の分子量が70kDaと推定されたことに由来する.Og抗体と呼ばれたこともあった.その後,対応抗原が核に局在するDNAトポイソメラーゼⅠであることが判明し,抗トポイソメラーゼⅠ抗体とも呼ばれる.なお,本来の分子量は100kDaであり,当初見いだされた70kDa蛋白はトポイソメラーゼⅠの部分分解産物であった.
 標準的には,オクタロニー法(二重免疫拡散法)で検出される.寒天平板上の小孔に抗原と被検血清を別々に入れてゲル内を拡散させ,抗原抗体反応により生じる沈降線から抗体の有無を判定する.その後,検査自動化のために,自己抗原を生化学的精製ないし組み換え蛋白として作成して被検検体を反応させ,結合した抗原抗体複合物を色素ないし蛍光で検出して定量する方法(ELISA法)も導入された.前者は沈降線を生じる最大希釈倍数で陽性度を表すので半定量法と呼ばれ,後者は抗体量を光学的に測定するので定量法とも呼ばれる.

参考文献

1)Basu D, et al:Anti-Scl-70. Autoimmunity 38:65-72, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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