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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗ミトコンドリア抗体

著者: 平形道人1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター

ページ範囲:P.420 - P.422

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検査の概要
 抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody:AMA)は,原発性胆汁性肝硬変症(primary biliary cirrhosis:PBC)に高頻度かつ特異的に検出され,PBCの診断のうえで重要な検査である1,2).胆道系酵素(ALP,γ-GTP)優位の肝機能障害や黄疸を呈し,肝炎ウイルスマーカー陰性で,閉塞性黄疸が否定的な場合,AMAを測定しPBCの鑑別診断を進める.
 AMAの測定法には,間接蛍光抗体法(indirect immunofluorescent assay:IIF),enzyme-linked immunosorbant assay(ELISA),免疫ブロット法(immunoblotting),chemiluminescent enzyme immuno assay(CLEIA)などがあり,IIF,ELISA,CLEIAが保険適用として認められている2〜5). IIFは,ラットの腎および胃の凍結組織切片を基質として用い,ミトコンドリア内膜の対応抗原全体に対する自己抗体を検出する方法で,PBCのスクリーニング検査として行われる.一方,ELISA(MESACUPTM-2テスト ミトコンドリアM2,MBL社),CLEIA(ステイシアMEBLuxTMテスト ミトコンドリアM2,MBL社)はミトコンドリアM2抗原であるpyruvate dehydrogenase complex-E2(PDC-E2),branched chain 2-oxo acid dehydrogenase complex-E2(BCOADC-E2),2-oxo glutarate dehydrogenase complex-E2(OGDC-E),の3種類のリコンビナント蛋白を用いた試薬で,IIFと同等以上に高感度(90%)であることが示されている3〜5)

参考文献

1)石橋大海,寺井裕二:抗ミトコンドリア抗体,抗M2抗体(抗PDH抗体).古澤新平,他(編):臨床検査診断マニュアル(改訂第2版),pp 369-370,永井書店,2005
2)平形道人:抗ミトコンドリア抗体.medicina 47(増刊号):460-462, 2010
3)大曲勝久,他:原発性胆汁性肝硬変症の経過観察における「MESACUP-2テスト ミトコンドリアM2」測定の臨床的意義─蛍光抗体間接法との比較検討.医と薬学50:543-550, 2003
4)竹村真理,他:MESACUP-2テスト ミトコンドリアM2の基礎的検討.医と薬学46:809-816, 2001
5)丹野瑞木,他:新しい抗ミトコンドリア抗体検出試薬ステイシアMEBLuxテスト ミトコンドリアM2の基礎性能および臨床的有用性の検討.医と薬学67:485-495, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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