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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査
抗ミトコンドリア抗体
著者: 平形道人1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター
ページ範囲:P.420 - P.422
文献購入ページに移動抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody:AMA)は,原発性胆汁性肝硬変症(primary biliary cirrhosis:PBC)に高頻度かつ特異的に検出され,PBCの診断のうえで重要な検査である1,2).胆道系酵素(ALP,γ-GTP)優位の肝機能障害や黄疸を呈し,肝炎ウイルスマーカー陰性で,閉塞性黄疸が否定的な場合,AMAを測定しPBCの鑑別診断を進める.
AMAの測定法には,間接蛍光抗体法(indirect immunofluorescent assay:IIF),enzyme-linked immunosorbant assay(ELISA),免疫ブロット法(immunoblotting),chemiluminescent enzyme immuno assay(CLEIA)などがあり,IIF,ELISA,CLEIAが保険適用として認められている2〜5). IIFは,ラットの腎および胃の凍結組織切片を基質として用い,ミトコンドリア内膜の対応抗原全体に対する自己抗体を検出する方法で,PBCのスクリーニング検査として行われる.一方,ELISA(MESACUPTM-2テスト ミトコンドリアM2,MBL社),CLEIA(ステイシアMEBLuxTMテスト ミトコンドリアM2,MBL社)はミトコンドリアM2抗原であるpyruvate dehydrogenase complex-E2(PDC-E2),branched chain 2-oxo acid dehydrogenase complex-E2(BCOADC-E2),2-oxo glutarate dehydrogenase complex-E2(OGDC-E),の3種類のリコンビナント蛋白を用いた試薬で,IIFと同等以上に高感度(90%)であることが示されている3〜5).
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