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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査
抗肝腎ミクロソーム-1抗体
著者: 小池和彦1 銭谷幹男1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
ページ範囲:P.424 - P.425
文献購入ページに移動Rizzettoらは慢性活動性肝炎の患者血清中に抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody:AMA)とは異なる,細胞質に対する自己抗体を発見した.この抗体は,間接蛍光抗体法により腎臓の近位および遠位尿細管上皮細胞が染色されるAMAとは異なり,遠位尿細管細胞が染色されずに近位尿細管上皮細胞や肝細胞と反応し,その対応抗原がミクロソームであることから,抗肝腎ミクロソーム抗体(anti-liver kidney microsome antibody:抗LKM抗体)と名づけられた.
抗LKM抗体は間接蛍光抗体法による染色パターンから3種類(LKM-1,2,3)に分類されるが,このなかの抗LKM-1抗体は,自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)のなかで抗核抗体(anti-nuclear antibody:ANA)陰性,抗平滑筋抗体(anti-smooth muscle antibody:SMA)陰性,抗LKM-1陽性のⅡ型AIHに特徴的な自己抗体であることが判明している.
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