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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 自己免疫関連検査
抗平滑筋抗体
著者: 小池和彦1 銭谷幹男1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科
ページ範囲:P.426 - P.427
文献購入ページに移動抗平滑筋抗体(anti-smooth muscle antibody:SMA)は,1965年Jonsonらによって自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)患者の血清において陽性を示すことが報告され,本抗体が陽性を示す際には肝障害の原因として自己免疫機序が関わっている可能性が示唆された.その後,DoniachらやWhittinghamらの検討で,SMAはAIHのみでなく,慢性活動性肝炎でも17〜67%と高率に陽性となることが報告された.
SMA自体に臓器特異性はなくAIHの病因との関連は少ない.しかし,本抗体はAIHにおいて抗核抗体(anti-nuclear antibody:ANA)に次いで検出率は高く,特にANA陰性AIHにおいて診断的価値は高い.2013年に厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班の診断指針が改定されたが,この指針においてもANAまたはSMAが陽性であることがAIH診断の重要な1項目とされている1).
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