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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 消化器系

CA19-9(糖鎖抗原19-9)

著者: 廣田衛久1 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学病院消化器内科

ページ範囲:P.472 - P.473

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検査の概要
 CA19-9(carbohydrate antigen 19-9)は消化器系,特に膵管や胆道の上皮細胞の細胞表面に発現している,代表的なⅠ型糖鎖抗原の1つである.癌細胞では過剰に発現し,分泌されて血中レベルが上昇する.このため主に膵癌,胆管癌,胆囊癌をはじめとする膵胆道癌および消化管癌の腫瘍マーカーとして用いられている.
 Ⅰ型糖鎖は,ガラクトースとN-アセチルグルコサミンが結合した基幹構造(Galβ1→3GlcNAc)の繰り返しにより構成される糖鎖であり,ABO式血液型抗原やルイス式血液型抗原の構成要素である.この基幹構造にフコースが結合することにより形成されるのがルイスA(Lea)糖鎖であり,さらにシアリル酸が結合したシアリルルイスAがCA19-9である.

参考文献

1)Koporowski H, et al:Colorectal carcinoma antigens detected by hybridoma antibodies. Somatic Cell Genet 5:957-971, 1970
2)宮本信治:CA19-9の測定と異常値の対応の仕方.Med Technol 25:185-191, 1997
3)神奈木玲児,他:セクレチンを介した細胞接着と低酸素誘導因子による癌細胞の糖代謝偏倚.Biotherapy 18:421-430, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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