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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 消化器系
CA19-9(糖鎖抗原19-9)
著者: 廣田衛久1 下瀬川徹1
所属機関: 1東北大学病院消化器内科
ページ範囲:P.472 - P.473
文献購入ページに移動CA19-9(carbohydrate antigen 19-9)は消化器系,特に膵管や胆道の上皮細胞の細胞表面に発現している,代表的なⅠ型糖鎖抗原の1つである.癌細胞では過剰に発現し,分泌されて血中レベルが上昇する.このため主に膵癌,胆管癌,胆囊癌をはじめとする膵胆道癌および消化管癌の腫瘍マーカーとして用いられている.
Ⅰ型糖鎖は,ガラクトースとN-アセチルグルコサミンが結合した基幹構造(Galβ1→3GlcNAc)の繰り返しにより構成される糖鎖であり,ABO式血液型抗原やルイス式血液型抗原の構成要素である.この基幹構造にフコースが結合することにより形成されるのがルイスA(Lea)糖鎖であり,さらにシアリル酸が結合したシアリルルイスAがCA19-9である.
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