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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 消化器系

CA50,Span-1,DU-PAN-2

著者: 濱田晋1 正宗淳1 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学病院消化器内科

ページ範囲:P.474 - P.475

検査の概要
 CA50,Span-1,DU-PAN-2はいずれもモノクローナル抗体により認識される糖鎖抗原であり,消化器癌のなかでも,主に膵胆道癌のマーカーとして測定される.Span-1は膵癌細胞株SW1990の産生するムチンに対して反応するモノクローナル抗体を,DU-PAN-2は膵癌細胞株HPAF-1を免疫原として作成されたモノクローナル抗体を使用し,それぞれラジオイムノアッセイと酵素抗体法による測定が行われている(CA50については,2000年より測定試薬の供給が中止されたため,現在は測定することができない).
 膵胆道癌のマーカーとしてはCA19-9が広く用いられているが,ルイス血液型陰性者では糖鎖構造にフコースを付加してシアリルルイスA糖鎖抗原であるCA19-9を生成する酵素活性が弱く,CA19-9が低値(2.0U/mL以下)を呈する1).このような患者でもCA50,Span-1,DU-PAN-2の産生は行われており(特にDU-PAN-2はCA19-9の前駆体そのものである),これらを検出するモノクローナル抗体はフコースを欠いたシアリルルイスA抗原以外の糖鎖構造を認識することが可能であるために,腫瘍マーカーとして利用することができる.

参考文献

1)江後京子,他:CA19-9の測定値からルイス式血液型抗原陰性例を推定する検討─CA19-9非産生〔Le(a-b-)〕例選別の試み.松仁会医誌46:7-11, 2007

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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