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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 消化器系
NCC-ST-439
著者: 濱田晋1 正宗淳1 下瀬川徹1
所属機関: 1東北大学病院消化器内科
ページ範囲:P.476 - P.477
文献購入ページに移動NCC-ST-439は糖鎖抗原の一種であるシアリルルイスX抗原に属し,膵癌,胆管癌,大腸癌などの消化器系癌の腫瘍マーカーとして利用されている.消化器癌以外では乳癌のマーカーとしての有用性が高い.抗原の本態は高分子ムチン様蛋白質であり,ヒト胃癌細胞株を利用して作成されたモノクローナル抗体により検出される.シアリルルイスX抗原の糖鎖は血管内皮に発現するセレクチンと結合し,癌細胞の血行性転移に関わることが知られている.
検出方法としては,酵素抗体法や化学発光酵素免疫測定法が用いられている.消化器癌のマーカーとして使用されているCA19-9はシアリルルイスA抗原に属し,ルイス血液型陰性者では消化器癌に罹患していても高値を示さない場合があるが,シアリルルイスX抗原に属する糖鎖の合成はルイス血液型の影響を受けない.そのため,NCC-ST-439はルイス陰性者でも腫瘍マーカーとして利用することが可能である.
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