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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 消化器系

NCC-ST-439

著者: 濱田晋1 正宗淳1 下瀬川徹1

所属機関: 1東北大学病院消化器内科

ページ範囲:P.476 - P.477

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検査の概要
 NCC-ST-439は糖鎖抗原の一種であるシアリルルイスX抗原に属し,膵癌,胆管癌,大腸癌などの消化器系癌の腫瘍マーカーとして利用されている.消化器癌以外では乳癌のマーカーとしての有用性が高い.抗原の本態は高分子ムチン様蛋白質であり,ヒト胃癌細胞株を利用して作成されたモノクローナル抗体により検出される.シアリルルイスX抗原の糖鎖は血管内皮に発現するセレクチンと結合し,癌細胞の血行性転移に関わることが知られている.
 検出方法としては,酵素抗体法や化学発光酵素免疫測定法が用いられている.消化器癌のマーカーとして使用されているCA19-9はシアリルルイスA抗原に属し,ルイス血液型陰性者では消化器癌に罹患していても高値を示さない場合があるが,シアリルルイスX抗原に属する糖鎖の合成はルイス血液型の影響を受けない.そのため,NCC-ST-439はルイス陰性者でも腫瘍マーカーとして利用することが可能である.

参考文献

1)岡村泰彦,他:乳癌における腫瘍マーカーNCC-ST-439の臨床的意義─CA15-3,CEAおよびTPAとの比較検討.癌と化療18:1279-1285, 1991
2)進藤 仁,他:消化器疾患におけるNCC-ST-439の臨床的検討.医療45:27-31, 1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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