icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集

腫瘍マーカー 乳腺・婦人科系

CA15-3,BCA225,血清HER2蛋白

著者: 多田寛1 大内憲明1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科学講座

ページ範囲:P.486 - P.487

文献概要

検査の概要
 CA15-3,BCA225,血清HER2(human epidermal growth factor receptor 2)蛋白はいずれも乳癌の腫瘍マーカーであり,再発乳癌の診断補助,進行再発乳癌のモニタリングのために任意で用いられる.多くの施設では,CEA(本号の別項参照)とCA15-3の組み合わせで検査することが多い.
 進行乳癌である場合や乳癌が再発をきたした場合に,これらの腫瘍マーカーは上昇することが多く,CTや骨シンチグラフィ,脳MRIなどの画像検査で転移部位を確定させる.これらの画像検査で転移部位が不明である場合はPET-CTが有効であることがある.画像検査に先立ってこれらの腫瘍マーカーが上昇する場合があるが,腫瘍マーカー上昇をもって,無症状の潜伏転移の治療を開始することの意義は証明されていない.また,感度・特異度が十分ではないため,進行再発乳癌治療中に上昇がみられても,画像検査をせずに治療の変更をすることは基本的には勧められず,また早期乳癌のスクリーニングとしては使用するべきではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら