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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 腫瘍マーカー 泌尿器系

BTA,NMP22

著者: 武内巧1

所属機関: 1関東労災病院泌尿器科

ページ範囲:P.492 - P.493

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検査の概要
 膀胱癌の診断では,膀胱鏡と尿細胞診が必須の検査である.しかしながら,膀胱鏡は侵襲的な検査であり患者の負担が大きく,また尿細胞診は特に悪性度の低い膀胱癌において感度が低い.膀胱癌の診断に補助的に施行される腫瘍マーカー検査として保険診療が認められている代表的な検査に,尿中膀胱腫瘍抗原(bladder tumor antigen:BTA)と尿中核マトリックスプロテイン22(nuclear matrix protein 22:NMP22)の測定がある.そのほか,尿サイトケラチン8/18,尿BFPの検査も膀胱癌に対して保険収載されている.
◆BTA
 BTAは2種類の物質が同じ用語で表現されており,紛らわしい.膀胱癌では各種の組織プロテアーゼによって膀胱上皮の基底膜が破壊され,基底膜に含まれるヒトⅣ型コラーゲン,フィブロネクチン,ラミニン,プロテオグリカンなどの成分が断片的に分解され,さらに尿中に基底膜成分複合体を形成する.この分子量16〜165kDaの特異的ポリペプチドがBTAである.

参考文献

1)Keesee SK, et al:Utilization of nuclear matrix proteins for cancer diagnosis. Crit Rev Eukaryot Gene Expr 6:189-214, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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