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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 細菌同定検査
グラム染色
著者: 吉田麻衣子1 森永芳智1 栁原克紀1
所属機関: 1長崎大学病院検査部
ページ範囲:P.502 - P.504
文献購入ページに移動グラム染色は感染症の原因菌を推測できる迅速かつ有用な検査である.特別な機器や技術も必要なく,安価で簡便なため,検査施設のない病院や夜間の救急時など,活用場面は幅広い.喀痰,尿,髄液,膿などあらゆる材料が検査対象となり,気管支洗浄液や髄液などの液体が多い検体でも,遠心して沈殿したペレットを利用できる.
グラム染色は細菌細胞壁の構造の違いを利用して,グラム陽性菌を青,グラム陰性菌を赤に染め分ける.グラム陽性菌は厚いペプチドグリカン層で覆われるため脱色されにくいが,グラム陰性菌は薄いペプチドグリカン層とリポ多糖を含む脂質二重膜がアルコールで壊れやすいため脱色され,後染色で赤色になる.
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