文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 感受性検査
薬剤感受性試験—MIC,ディスク法
著者: 大野章1
所属機関: 1東邦大学医学部微生物・感染症学講座
ページ範囲:P.522 - P.527
文献購入ページに移動 感染症原因菌が同定され有効な抗菌薬が決定されるまでの間,通常,広域スペクトラムを有する抗菌薬が投与される(経験的治療:empiric therapy).臨床検査室の役割は,経験的治療から個別的治療へ切り替えるため,感染症原因菌を分離同定することと,薬剤感受性試験を行い原因菌の治療に有効な抗菌薬の情報を提供することにある.それにより効果の少ない抗菌薬の継続使用が回避でき,耐性菌出現の抑制や医療コストの軽減につながる.
検査室は原因菌同定結果と薬剤感受性試験結果を示すとともに,当該時期に問題となっている抗菌薬耐性菌に該当するならばその旨をコメントして報告する.担当臨床医はその情報を受け,治療薬候補となる抗菌薬について,それぞれの体内動態および組織移行性,副作用などを考慮し,最終的に治療薬を選択する.
検査室は原因菌同定結果と薬剤感受性試験結果を示すとともに,当該時期に問題となっている抗菌薬耐性菌に該当するならばその旨をコメントして報告する.担当臨床医はその情報を受け,治療薬候補となる抗菌薬について,それぞれの体内動態および組織移行性,副作用などを考慮し,最終的に治療薬を選択する.
参考文献
1)Clinical and Laboratory Standards Institute:Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard-8th ed, M07-A9, Vol 32 No. 2, USA, 2012
2)The European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing-EUCAST. http://www.eucast.org/
3)抗菌薬ブレイクポイント委員会報告:抗菌薬ブレイクポイント一覧:呼吸器感染症・敗血症・尿路感染症.http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/breakpoint_data.html
掲載誌情報