icon fsr

雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 細菌関連検査

ASO,ASK

著者: 辻章志1

所属機関: 1関西医科大学小児科学講座

ページ範囲:P.530 - P.531

検査の概要
 A群β溶血性連鎖球菌(group A β-hemolytic streptococcus:GABHS)の菌体外産生物質である溶血毒素ストレプトリジンOに対する抗体のanti-streptolysin O(ASO)と,酵素ストレプトキナーゼに対する抗体のanti-streptokinase(ASK)を測定する.1932年,ToddらによってASOの測定法が開発されて以降,広く応用されている.
 ASOとASKは主にIgG抗体であるためGABHS感染後7〜10日経過してから上昇し,2〜5週間後に最高値に達して6〜8週間持続し低下する1).ASOやASKの値が高値を示すのは,GABHS感染による急性期ではなく回復期以降である.続発性疾患である溶連菌感染後急性糸球体腎炎(post streptococcal acute glomerulo nephritis:PSAGN)やリウマチ熱に罹患したときには,細菌培養法や抗原迅速検査を施行してもGABHSを検出しないことが多いため,血清ASO・ASKの測定は続発性疾患の診断にも有用である.

参考文献

1)太田博美:ラテックス凝集法によるアンチストレプトリジンO測定時における健常人の偽陽性反応.臨病理53:279-283, 2005
2)藤原 亨:抗ストレプトリジン-O抗体(ASO),抗ストレプトキナーゼ抗体(ASK).金子一成,吉村 健(編):こどもの身体の基準,pp 168-169,中外医学社,2014

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?