文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 ウイルス関連検査
ヒトメタニューモウイルス
著者: 鈴木琢光1 畠山修司1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院感染症内科
ページ範囲:P.557 - P.558
文献購入ページに移動ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus:hMPV)は,2001年にオランダでrespiratory syncytial virus(RSV)様の臨床症状を呈する小児の鼻咽頭から発見されたウイルスである.RSVと同じパラミクソウイルス科,ニューモウイルス亜科に属するRNAウイルスで,遺伝子の系統樹解析から2つのグループに分かれ,さらにそれぞれが2つのサブグループに分かれるが,グループ,サブグループの違いによる臨床症状の違いや重症度には差を認めないという報告が多い.
◆PCR
鼻腔吸引液を用いたreverse transcriptase(RT)-PCR法が最も感度の高い検査法と考えられている.系統樹解析を行い,グループ,サブグループを決定する.Songら1)はhMPVのloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法を開発し,従来のRT-PCRと比較して感度・特異度ともに優れていると報告しているが,本邦ではまだ実用化されていない.
参考文献
掲載誌情報