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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 ウイルス関連検査

ロタウイルス

著者: 前田明彦1

所属機関: 1高知県立幡多けんみん病院小児科

ページ範囲:P.590 - P.591

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ロタウイルス胃腸炎の病態
 ロタウイルスは,レオウイルス科の2本鎖RNAウイルスで,白色ないし黄白色の下痢を特徴とする胃腸炎を起こす.従来は1〜2月に流行し冬季の嘔吐下痢を引き起こすが,近年,4〜5月の春の感染症に変わってきている.潜伏期間は1〜3日で糞口感染する.
 5歳までにほとんどの子どもが感染する.生涯免疫ではなく,何度でも感染は起きるが,初めての罹患が最も重症化しやすい.予備能の低い0〜2歳児がロタウイルス胃腸炎に罹患すると容易に脱水を起こし,入院を要することも多い.稀に脳症の合併例も経験される.今なお,わが国でも死亡例が報告されており,世界中で1年間に1億1千万人が罹患,200万人が入院し,44万人が死亡している.脱水の極期に腎前性腎不全を起こすことは一般的に認識されていたが,高尿酸血症から尿酸結石を合併し腎後性腎不全を起こす例があることが報告され1),注目されている.

参考文献

1)Fujinaga S, et al:Acute renal failure due to obstructive uric acid stones associated with rotavirus gastroenteritis. Pediatr Nephrol 20:239-240, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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