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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻4号

2015年04月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 ウイルス関連検査

ヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子

著者: 川名敬1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座

ページ範囲:P.595 - P.597

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検査の概要
 ヒトパピローマウイルス(HPV)には,100種類以上の遺伝子型genomic typeがある.皮膚に感染するHPVを皮膚型,外生殖器や性器粘膜,気道粘膜に感染するHPVを粘膜型という.粘膜型HPVのうち,子宮頸がん,肛門がん,外陰がん,腟がん,中咽頭がんなどのがんから検出されるHPVをハイリスクHPV,尖圭コンジローマなどの良性乳頭腫から検出されるHPVをローリスクHPVと呼ぶ.図1に示すようにHPVの系統樹をみると皮膚型と粘膜型,ハイリスクとローリスクによって形成される病変は全く異なることがわかる1).したがって,HPV遺伝子型を推定することは診断に有用である.
 HPV感染症においては,血清抗体検査が商業ベースで存在しないことから,病原体診断としてHPV遺伝子検査(HPV検査)が臨床現場で普及している.HPV検査は,HPVグルーピング検査とHPVタイピング検査に大別される.

参考文献

1)Van Ranst M, et al:Phylogenetic classification of human papillomaviruses;Correlation with clinical manifestations. J Gen Virol 73:2653-2660, 1992
2)Brody H:Human papillomavirus. Nature Outlook 488:S1, 2012
3)Matsumoto K, et al:Predicting the progression of cervical precursor lesions by human papillomavirus genotyping;A prospective cohort study. Int J Cancer 28:2898-2910, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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