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雑誌詳細

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 微生物学的検査 その他

つつが虫病

著者: 岡山昭彦1 橘宣祥2 長友安弘1

所属機関: 1宮崎大学医学部内科学講座免疫感染病態学分野 2慈光会宮崎若草病院

ページ範囲:P.598 - P.599

 つつが虫病は発熱,発疹,刺し口を3主徴とする感染症であり,山歩きなどの機会に,ダニの一種ツツガ虫の幼虫に刺されることにより,Orientia tsutsugamushiに感染する.4類感染症のなかで2番目に頻度が高く,本邦では北海道を除くすべての地域に発生がみられる.
 体内に侵入したOrientia tsutsugamushiは局所で増殖して炎症病巣を形成し,リンパ行性,血行性に全身に広がり,血管内皮細胞やマクロファージ内で増殖して微小血管炎・血管周囲炎を起こし,全身諸臓器の障害を起こす.感染より7〜14日の潜伏期の後に急激な発熱で発症し,頭痛,悪寒,全身倦怠感,筋肉や関節の痛みを伴う.発疹は2〜5病日に顔面,体幹から出現する.刺し口は径約10mmの黒色痂皮で覆われた潰瘍で周囲に発赤,腫脹を認める.リンパ節腫脹,肝脾腫を伴うことがある.

参考文献

1)橘 宣祥,岡山昭彦:四類感染症 つつがむし病.日臨65(増刊号3):208-211, 2007
2)Tamura A, et al:Classification of Rickettsia tsutsugamushi in a new genus, Orientia gen. nov., as Orientia tsutsugamushi comb. nov. Int J Syst Bacteriol 45:589-591, 1995

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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